子どもの歯並びや噛み合わせ、口呼吸や筋機能の乱れが気になってきたとき、早期に取り組める矯正方法として「プレオルソ」が注目されています。
とはいえ、実際に費用はいくらくらいかかるのか、気になる保険適用の可否、そして「ワイヤー矯正／マウスピース矯正」との違いも検討したいところです。
この記事では、プレオルソの費用相場とその内訳、保険適用の有無、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
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プレオルソとは
プレオルソは、おもに成長期（乳歯から永久歯移行期）の子どもを対象にしたマウスピース型の矯正装置です。
従来のワイヤー矯正や固定式装置とは異なり、装置自体が柔らかく弾力のある素材で作られています。
その名の通り「プレ（予備）矯正」「機能的矯正装置」として、歯並びだけでなく、口腔まわりの筋肉（頬・舌・唇）や顎の発育・噛み合わせ・口呼吸の改善を目的にしています。
装着時間は「日中1〜2時間＋就寝時（寝る時）」程度に抑えられ、取り外しが可能です。食事・歯磨きの際には装置を外せるため、お子さまにとって負担が少ないのが特徴です。
このように、ワイヤー矯正を行う前段階として、あるいは、将来的な本格矯正の負担を軽くするための予防矯正的役割を担うことが多く、適応できる症例・年齢層には限りがあります。
プレオルソの費用相場・内訳
相場
プレオルソは自由診療（保険適用外）であり、歯科医院によって料金体系がかなり異なります。一般的な相場としては、 5万円〜20万円程度 が多いようです。
プレオルソ重視の矯正（プレオルソが主役）を行う医院は高め、プレオルソがワイヤー矯正の補助器具（プレオルソは脇役）の医院は安めの傾向があります。
内訳（主な費用項目）
プレオルソの費用は、歯科医院ごとに名称・サービス範囲が異なりますので、実際に治療を受ける医院で「何が含まれているか」を確認することが重要です。
カウンセリング代
初回相談のみ無料とする医院もあれば、数千円（3,000〜5,000円程度）を設定している医院もあります。
精密検査代
レントゲン撮影、写真撮影、模型作成、口腔機能検査（舌・唇・頬筋の動き）などが含まれることが多く、5千円〜5万円と幅があります。
簡易検査のみの医院は安め、詳細な検査分析を行う医院は高めで設定する傾向があります。
プレオルソの装置代
装置費用は、既製品のマウスピース素材であることから、オーダーメイド装置に比べて低めの設定となっています。
価格は20,000円〜150,000円程度という広い範囲で提供されていて、その差は、装着する装置が1個か複数個かの違いです。
プレオルソは数ヶ月から1年で交換することが多く、プレオルソを長期間使う医院であれば、複数個使うことを前提にしているため価格が高くなります。
一方、プレオルソを補助器具として使う医院であれば、1個単位の価格になるので安くなります。
管理・調整料
装置装着開始後、定期通院によるチェック・調整・生活習慣指導が発生し、1回あたり2,000〜5,000円程度が多いです。
プレオルソは保険適用の対象となる？
プレオルソは保険適用外となるケースがほとんどです。
顎変形症や先天性疾患など、特別な医療的要件を満たす矯正治療の場合は保険が適用されることがありますが、プレオルソ単独で保険適用となる例は極めて稀です。
そのため、治療費用は基本的に患者さん負担となります。
ただし、税務上のメリットとして、子どもの矯正治療である場合には医療費控除の対象となる可能性があります。
治療を検討される際には、「保険適用かどうか」「医療費控除の対象かどうか」「将来的に二期治療が必要か」などを歯科医院で確認しておくことが重要です。
プレオルソのメリット
取り外せる
プレオルソは取り外し可能なマウスピース型装置であるため、食事・歯磨きの際には装置を外すことができます。
これにより、ワイヤー矯正と比べて虫歯・歯周病のリスクを抑えやすく、お子さま自身が歯磨きを丁寧に行いやすい環境となります。
また、装置をつけたまま長時間食事したり、食べ物が引っかかったりなどのストレスが少ない点も特徴です。
装着時間が短い
多くのプレオルソ治療では「日中1〜2時間＋就寝時」の装着が基本となっており、ワイヤー矯正のようにずっと装置をつけている必要がありません。
そのため、お子さまの学校生活・習い事・スポーツ活動などへの影響が少ないと言われています。
装着時間が短くて済むため、「矯正装置＝ずっと口の中で邪魔になる」というイメージを持たずに済む点もメリットと言えるでしょう。
痛みが少ない
プレオルソは、硬いワイヤーや金属ブラケットを歯に装着して力をかける方式ではなく、口腔周囲筋・顎の成長・歯の萌出スペースを整えるという、機能的矯正の考え方に基づいています。
そのため、歯を大きく動かす“力“をかけるワイヤー矯正と比べ、痛みや違和感が少ないケースが多いです。
治療の開始直後でも、お子さまにとってストレスが少ない点が、保護者の方から評価されています。
通院頻度が低い
装着時間が短いこと、また装置が既製品ベースで調整も比較的シンプルなため、ワイヤー矯正に比べて通院頻度が少ないことが多いです。
例えば、初期は月1回、慣れてくると2〜3ヶ月に1回程度の通院にとどまる医院もあります。
通院回数が少なく済むことで保護者の方の送迎負担を軽減でき、学業や習い事とも無理なく両立しやすい点がメリットです。
その他（将来の矯正負担軽減）
プレオルソを早期に取り入れることにより顎の成長を正しく促し、口呼吸や舌癖などを改善することで、永久歯列期になったときの本格矯正（ワイヤー／マウスピース）を軽く済ませられる可能性があります。
つまり、将来の矯正治療の “量” や “難易度” を低く抑えられる可能性があるという点もメリットです。
また、矯正装置そのものが比較的安価であるため、費用負担を抑えて早期介入できるという点も、保護者の方にとって大きな魅力です。
プレオルソのデメリット
適応症例が限られている
プレオルソは乳歯から永久歯への移行期（おおむね4～10歳くらい）のお子さまに対して、顎の発育・口腔筋機能の乱れ・舌癖・口呼吸などが原因となって、歯並び・噛み合わせが乱れているケースに適しています。
すでに永久歯が生えそろっていて歯列が顕著に乱れている、骨格性の問題が強いケース（例えば重度の反対咬合・上下顎前突・顎変形症等）では、プレオルソ単独では効果が限定的であり、ワイヤー矯正や外科的アプローチを含む “二期治療” が必須となる場合もあります。
そのため、「いつまでに」「どのような状態で」「どの医院で」治療を始めるかが重要であり、適応の判断・初期診断が極めて大切です。
親の管理が必要となる
取り外し可能な装置という性質上、装着時間を守ること、お子さまの口腔習癖（舌・唇・頬筋）への理解と実践、そして保護者の方による監督・フォローが不可欠です。
装着を怠ったり、就寝時に外していたりすると、効果が十分に得られないことがあります。
装置装着の管理・通院・生活習慣改善（指しゃぶり・口呼吸・頬づえなど）など、保護者の方・お子さま双方の “意識” と “行動” が結果に大きく影響します。
紛失・破損のリスクがある
既製品マウスピースという利点がある反面、装置を失くしたり破損したりすると、再作製費用がかかるケースがあります。
お子さまが小さいうちは管理が難しいため、紛失・破損のリスクを考慮しておく必要があります。
また、成長に伴い装置のサイズ変更が必要となる場合もあり、その交換費用が別途発生する医院もあります。
これを見落としてしまうと、トータルコストが当初の想定を超えることがあります。
細かな歯並びの調整はできない
プレオルソはあくまで “顎の発育・筋機能改善” を目的とした第一期治療的な位置付けです。
「歯を1本1本精密に動かして完璧な歯列を作る」ことを目的とする、ワイヤー矯正や全顎マウスピース矯正と比較すると、仕上がりの精度や細かい調整の範囲では限界があります。
そのため、プレオルソで “十分な改善” が得られないと判断された場合には、後にワイヤー矯正などを追加で行う必要が出てくる可能性があります。
これによって、追加の治療費・通院期間が発生することもあります。
まとめとしての注意点
- 治療開始は早期（乳歯／混合歯列期）であることが有利です。遅れてしまうと適応外となる可能性があります。
- 装着時間・保護者の方のフォロー・子どもの協力が結果に大きく影響します。
- トータルの治療計画として「プレオルソ→必要なら二期治療」という可能性も視野に入れておくことが重要です。
- 費用が安めに見える装置だけに飛びつくのではなく、医院の技術・フォロー体制・通院回数・交換・保証などを含めて選ぶべきです。
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神戸市須磨区にある のぶ歯科・歯ならび歯科 では、矯正治療（小児矯正・成人矯正を含む）に関して豊富な実績を有しています。
プレオルソ導入前の精密検査・診断から、装着指導・通院フォローまで丁寧なサポートを提供しており、初めてご検討されるご家族にも安心してご相談いただける環境を整えています。
また、参加無料の矯正相談会を定期的に実施しており、矯正治療に関する不安・疑問（費用・通院ペース・装置の適合・将来のワイヤー矯正との関係など）を気兼ねなくご相談いただけます。
ぜひお気軽にお問い合わせのうえ、お子さまの歯ならび・噛み合わせ・口腔機能の改善についてご検討ください。